熟年離婚という言葉はわりと身近な感じではないでしょうか。近年の情報では熟年離婚率は増加傾向にあるようです。最新の厚生労働省から発表された統計によると、2020年の熟年離婚率は21.5%と過去最高になりました。離婚件数全体では、結婚した夫婦の3組に1組は離婚する計算になったということです。
離婚が増加傾向になった原因として、女性の社会進出、年金の分配など経済的に不安がなくなる基盤が整ってきたことが挙げられると思います。
統計からもわかるように、離婚に悩んでいる人は多いと思います。ここでは離婚に至る理由、原因、決断など離婚にまつわる悩みについて考えてみたいと思います。
【熟年離婚】離婚したくなる理由と原因
離婚したいと思ってはいるけれども、なかなか踏み切れない・・・悩んでいる、様々な問題点がある、など理由を探せばきりがないくらい出てきますね。
一般的に離婚の原因は次の5つが多くあげられます。
- 価値観の相違
- 性格の不一致
- 浮気
- ⅮⅤ、モラハラ
- 義両親との問題、介護
特に価値観の相違、性格の不一致の理由で離婚したい人は多いですよね。長い年月のなかで価値観の違いでの不満やストレスは、いつ爆発してもおかしくないくらいに溜まりきっているかもしれません。
続いて、浮気、DV、モラハラ、義両親との問題、介護問題とあります。ひとつずつ単体ではなく複数の原因が重なっていることだってありますよね。
こんな理由で離婚なんか出来る訳はない・・と思って諦めていた時代はもうとっくに終わっています。誰でも自分の人生をもう一度やり直したいと考えて、実行できる時代になった。離婚率の上昇は後押しをしてくれます。それでも悩んでいる人も多いことでしょう。
そこで離婚のメリットとデメリットを比較してみたいと思います。
熟年離婚のメリット、デメリット
2つのメリット
- 長年の夫への不満やストレスからの解放
- 誰にも気を遣わず、自分のペースで生きられる。
離婚をした約9割の人が、離婚して良かったと言っている理由になります。本当に嫌だと思う人と、この先ずうっーと顔を突き合わせていくのかと思うと、気がめいって生きる気力も失せてしまいます。そこからの脱却は何物にも代えがたいことです。
そして、誰にも気づかうことなく、自分の時間を思いっきり楽しめることです。
3つのデメリット
- 経済的に不安定
- 家族との関わりが無くなり、孤独感がある
- 1人での生活による健康面での不安
1.経済的に不安定
やはり経済的に不安があって、なかなか離婚には踏み切れない人は多いですよね。むしろこれが最大の理由だと言っても過言ではないくらいです。
私の周りでも離婚したいと言う人は多いです。しかし、たいていは経済的な理由で離婚していません。特に専業主婦の人に多いです。経済的に不安を取ってでも自由を獲得したいか、経済的に安定を取って自由をあきらめるか。私の知る限りでは、経済的な安定を選んでいます。
そして、その中で友人たちとの楽しい時間を作って気分転換をしている。夫とは会話もないし、家庭内別居状態でも、ひとりで自立する勇気はないからだと言います。苦労することよりも、安定重視のほうがましとの考え方です。
冷静に対処した賢明な判断だと言えます。
一方で経済的には困窮しても、離婚して自分の人生をもう一度やり直したいと考える人も多い。
どちらが良いかは、人それぞれの価値観です。
2.家族との関わりが無くなり、孤独感がある
夫との関係は嫌だけど、子どもとの縁が遠くなるのは淋しい・・・
離婚を考えるときに、突発的には出てこないですよね。いつからか何かしらの事が発端だったりはあるかもしれませんが・・やはり長い間の不満やストレスで、心の中での葛藤が続いた結果だと思います。
私も離婚は常に考えながらも、周りへの影響を思うとなかなか思い切れませんでした。特におおきかったのは子どもたちへの影響です。それでも自分の生きたい道を選んで離婚を選択し、ひとりになって淋しいと泣き言を言っても誰も頼ることはできません。
3.一人での生活による健康面での不安
年齢とともに健康面でのことも気になってきます。ましてや一人の生活では、いざ倒れたりしたらそのまま誰にも気づかれないかも・・と恐怖心もありますよね。
このように、メリットとデメリットを比較してみると、デメリットの方が圧倒的に多いです。
デメリットの多い熟年離婚ですが、最近のデータでは増加の一途となっています。では何故こうも離婚をしたい人が多いのでしょうか?他の理由も考えてみたいと思います。
男性から切り出すことも多くなった
熟年離婚と言うと、女性から言い出すことが多いイメージですが、最近は男性からも多くなった感じがあります。
理由として、子育てが終わり家族への責任もひと段落したところで、自分の人生を改めて考える年代だからでしょう。
これは男性に限らず、女性も同じ感じですね。そのきっかけとして、定年退職がかなり影響すると思います。
定年退職がきっかけになりやすい
巷では、定年退職で後はのんびり老後を夫婦で楽しめると思っていたら、妻から三行半を突きつけられて途方にくれる夫の姿がまことしやかに報じられていますが、夫の方でも妻を捨てるといったことがあるのが近年の傾向でもあるようです。熟年離婚の約4割が夫からというデータもあるほどです。
離婚を夫からいわれる妻の特徴
妻のほうでは、突然に夫から離婚をきりだされて途方にくれるようです。なんとか離婚しない方法はないものかと悩みます。
夫から離婚を言われる妻の原因としては、特に専業主婦にありがちな理由ですが、家事をおろそかにする、家を留守にしがち、夫に対して暴言を吐くなどです。
家族のためにと様々な我慢を強いられてきた
定年後は自分の好きな道を生きると離婚を決断する。そんな人が多くなりつつあるように思います。
男性の場合は、女性に比べると経済的な面では心配することなしに決断できそうです。今後、夫から妻への三行半が増加する要因ではあります。
社会への責任が終わった定年後は、好きに生きたい
人生100年時代になって、定年後の時間も40年はある。となると、元気なうちに次の人生設計を考えて、一歩踏み出す人が多くなることも分かります。今まで出来なかった趣味に没頭したり、価値観の合う人とパートナーになることも可能性はありますよね。
つまり、現在の社会状況は、男性、女性に限らず自分の道を純粋に追及できる環境にあるようです。ストレス社会で生きてきた人にとって、定年後は自由に生きたいと考えることは自然の流れでしょう。
離婚を決断するのか?しないのか?
いくら離婚率が増加傾向になっていると言っても、大多数の人は従来の価値観になんの疑問も感じることなく、我慢の生活を自ら選んで生きている。
いや我慢してストレスの中で生きているとは、気づかずにいるかもしれません。人間はどんな環境にでもすぐに順応できるからです。
可もなく不可もなく無難な人生、それもありです。いわゆる常識的な大人と評価される生き方と言えばいいでしょうか。そのような人にとっては離婚は全くの論外かもしれません。
自分の価値観を大事にするようになった
高度経済成長期のような日本人総中流意識の時代では、同じ価値観で幸せだと思えていたはずです。
しかし、現在は人の価値観は多様化してきました。学校を出たら、就職して、結婚適齢期になったら、結婚する。結婚して初めて一人前と認知される。
過去の常識はそうでしたが、今は学校もいかない、就職もしない、結婚もしない・・・常識的と言われることに価値を感じなくなったひとが、自分の価値感で生きるようになってきました。
自分の個性を大切にする。こんな生き方をする人は、まだまだごく少数でしょうが、これからは徐々に増えていく兆しがあります。今は過渡期のような感じがします。
結婚率の減少、晩婚化、未婚率の増加、離婚率の増加はそれらを裏付ける一つの要因とも考えられます。
離婚を決断する前に考えること
結婚したら、ずっと一緒にいなければいけない。最初はそれでよかったかもしれません。ひとの気持ちは常に変化するものです。同じ方向性で生きれているうちは良いでしょうが、相手が全く別人になる場合もあるわけです。モラハラやDVなどは結婚してみなければ分からないことです。
離婚の原因があって、人には言えなくて悩んでいる人は多いと思います。特に女性に多い問題点として、離婚後の生活費の確保が出来なくて離婚をしたいけれども、出来ない。やはり経済的な理由で離婚を思いとどまる人が一番多いのではないでしょうか?これは離婚を考える上で本当に重要なことだと思います。
離婚を考えたら、時間をかけて経済的自立のめどを立ててから決断することが良いのは言うまでもありません。離婚をしたいけれども出来ない、ジレンマがあります。しかし自分の楽しい生活を確保するために少しの我慢は頑張れるもとになると思います。
離婚の決断に迷いがあるときには、別居で気持ちの整理をしてみる
離婚を決断するにはまだ気持ちが定まらない時には、別居してみることも一つの選択としてありかと思います。
離れてみて初めて気づくこともありますよね。もしかすると、離れて相手の重要さに気づくかもしれません。あるいは、離れてみて大正解だと離婚の決意を確固たるものにできるかもしれません。
別居であれば、婚姻費用として生活費の請求もできるので、いきなり離婚して路頭に迷うよりは良い方法だと思います。
経済的に自立することが大事
幸せに生きるためには、お金が全てではありません。しかし生きるためにはお金は必要です。離婚問題に関してもお金さえあれば大抵のことは解決することが出来ます。逆に言うとお金がなければ我慢をし続ける生活を継続するしかないと言うことになります。
非情なようですがこれが現実です。経済的に自立できて初めて好きな生き方が出来ると言うことです。離婚を決断できるには経済的自立をまず目指すことです。
いくらあれば離婚を決断できる?
経済的に自立出来て離婚を決断出来ると言いました。ではいくらあればできるのでしょうか?
生活費として最低必要なものに、住居費、光熱費、食費があります。一番出費の大きな住居費で考えると、都心部と地方では雲泥の差があります。
ちなみに私は長崎県南島原市に移住して、約10分の1になりました。金額にすると都心部では20万円相当の住居費が地方に来たら2万円です。当然ですが住居費が安い地方では食費も安くできます。光熱費はあまり変わらないようです。
このように、日本全国どこに住むかで生活に必要なお金はかなり違ってきます。老後2000万円問題で話題になった、年金では生活できないとの情報は、すべての人には共通しないということです。
田舎暮らしであれば、年金でも十分に生活可能です。年金額は人それぞれ違いがあると思いますが、最低5万円くらいあれば生活できます。
離婚をすることを前提に生活費の確保を考えるのであれば、まずは住む場所を選択すると良いです。あなたにピッタリの良い場所が必ず見つかるはずです。
まとめ
離婚を考えるときに、悩んでしまうことを解説しました。長年の夫婦関係において、お互いの価値感の相違や性格の不一致などによって多々問題がおきたり、不満やストレスは誰にでも生じることだと思います。
離婚するにしても、しないにしても経済的な問題の解決が一番重要だと思います。
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